日本バングラデシュ協会に参加の皆様へ

  日本バングラデシュ協会 メール・マガジン(第7号)

                          2015年2月15日
■目次
1)「9年ぶりに見たバングラデシュの大きな変化」 会長:堀口松城
2)「『知られざる工業国バングラデシュ』の出版」 理事:山形辰史
3)第1回日本バングラデシュ次官級定期協議の開催(外務省資料)
4)事務連絡

■「9年ぶりに見たバングラデシュの大きな変化」

1月25日から2月1日まで、日本バングラデシュ商工会議所(JBCCI)および国際
エンゼル協会の経営する学校のそれぞれの10周年記念式典に招かれたことを機会
にバングラデシュを訪問しました。バングラデシュには2008年暮れの総選挙の際
に日本政府の監視団の一員として行ったことがありますが、このときはダッカ及
び周辺のいくつかの投票所を見ただけでしたので事実上9年ぶりの訪問でした。
 この9年間の間にバングラデシュは多くの発展を遂げていましたが、最大の発見
は日本の若い世代のバングラデシュに対する認識でした。1月27日チッタゴンに足
を延ばした際、ヌルル・イスラム日本名誉総領事に連れて行かれたレストランに
は、日本の青年11名(男子6名、女子5名、ほとんどが大学3年生)が待っていました
が、彼らは経産省、HIDA(旧AOTS)が実施するグローバル・インターンシップ・プ
ログラム(「国際即戦力育成インターンシップ事業」)のもとで、チッタゴンの水
道公社、ガーメント会社組合、テレビ局、NPO、AOTS-HIDA協会などに配属され、
6か月のコースと3か月のコースに分かれ実務経験を積んでいました。
この席には、彼らをお世話しているAOTS-HIDA協会関係者や配属先の関係者、テレ
ビ局員、チッタゴン工科大学学長や在チッタゴンの日本企業代表者が同席してい
た関係で、11人全員が英語でそれぞれの配属先での経験やバングラデシュの印象
などを話していましたが、内容も英語もなかなか立派で心強く思いました。
彼らの話を通して気づいたのは、これらの若い世代の抱くバングラデシュのイメ
ージが、古い世代の抱く「貧困と災害」ではもはやなく、ダイナミックに発展す
る新興国であり、社会開発、NPO活動を通して自己実現を図る場であるとの認識で
あったことです。
この若い世代のバングラデシュの認識は、その後ダッカに戻り、10年前にできた
「ボションドラ・シティー」に行った際、陳列されている背広、コートなどの縫
製品、靴、鞄などの革製品などの質が、10年前とは比べ物にならないくらい向上
しており、また、金曜日ということもあって店内は買い物客でごった返していま
したが、買い物客の身なりが以前に比し格段に良くなっていたことに驚き、また、
ウットラにできた「アーロン」の売り場のセンスの良さに括目させられた経験と
符合するのです。
ダッカ滞在中、中国の工場をたたんで当地に移ってきた2つの日本の縫製会社を見
せてもらったのですが、これら2会社の社長のバングラデシュ認識は、政治的には
ハルタルなど若干のリスクはあるものの、ベトナムやミャンマーなどでは期待で
きない豊富な労働力と大きな購買力を持つ人口1億6千万の国というものでした。

今回10周年を迎えたJBCCIの会員数は2004年の26から142に増えており、とくに日
本、バングラデシュ双方の若い会員の多いことに勇気づけられました。また、当
地に進出している日本企業数についても、昨年7月本協会立ち上げの際のJETRO発
表の数字は181社でしたが、今回ダッカのJETRO事務所を訪ねた際、現在は223社に
増えているとのことでした。日本ではあまり名前を知られていない中小の企業が、
ビジネス機会を求めてバングラデシュに続々と進出してきていることに時代の変
化を感じさせられました。
街の様子も、ダッカ、ガジプール、チッタゴンの各都市では多数の5,6階建ての
縫製工場が操業中で、しかもさらに多くの縫製工場が建設中でしたが、その景色
は、この国が中国に次ぐ世界第2の縫製品輸出国であることを確信させるものでし
た。
また、10年前は車で片道3時間はかかったアダムジーの輸出加工区に行くのに、現
在はフライオーバー(自動車専用道路)ができたおかげでわずか1時間で行けるよう
になり、さらに、ダッカ市内の川沿いに「ハティルジール」というハイ・センス
なプロムナードが作られ、若者のデートスポットになっていることも印象的でし
た。
他方、ダッカ中心部はだいぶきれいになっていましたが、ガジプールやチッタゴ
ンでは街の中心部でも道の両サイドに生ごみが切れ目なく散らかっており、もう
少し変わっていて欲しかったと感じた面もありました。また、私の滞在中ハルタ
ルが数週間も続いたままで、行く先々で交通の渋滞に巻き込まれましたが、自分
の主張のために他人の生命財産や経済活動を損なっても構わないとの考え方や行
動は、バングラデシュのさらなる発展のために一日も早く廃する必要があり、国
民の英知を挙げて解決してほしいと改めて思った次第です。
日本バングラデシュ協会の会長を仰せつかりながら、このようなバングラデシュ
の新しい姿を知らないまま9年前の認識を持ち続けていたとしたら、お叱りを免れ
なかったところであり、今回バングラデシュに行くきっかけを与えていただいた
関係者に深く感謝する次第です。

■2)『知られざる工業国バングラデシュ』の出版

 日本バングラデシュ協会の皆様には、「工業国バングラデシュ」って、そんな
こと言っていいの?とお考えになる方もいらっしゃるかと思います。会員の村山
真弓さんと私の編書として、昨年11月に『知られざる工業国バングラデシュ』を、
日本貿易振興機構アジア経済研究所が出版しました(会員の鈴木隆史さん、安藤
裕二さんも著者)。我々としても「バングラデシュは既に工業国だ」というメッ
セージを打ち出すというよりは、「貧困国バングラデシュ」という聞き飽きたイ
メージを打ち破ろうとしてこの本を出版しました。
 この本の要約版を『アジ研ワールド・トレンド』2015年1月号
(http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Periodicals/W_trend/201412.html)
に、特集として出版しています。以下の紹介は同誌3月号に掲載予定の内容と同
じものです。

 バングラデシュは農業国である。主要産品は米とジュートと知られている。バ
ングラデシュは漁業国でもある。大きな川魚が主要なタンパク源である。エビも
重要な輸出産品である。
 しかし、いくつかの側面からみると、バングラデシュは既に工業国なのである。
多くの読者にとって意外であろう、このバングラデシュの工業国としての側面を
伝えるために、本書を出版した。工業の中心は、衣類や靴といった労働集約的製
品、そしてジュート製品や食品といった一次産品加工製品であるが、それらに加
えて、家電や造船、バイクや自転車、医薬品といった製品へも、工業化の広がり
が見られる。さらには、IT関連サービスやスーパーマーケットビジネスといった
サービス産業にも顕著な展開がある。このように、最貧国と呼ばれて久しいバン
グラデシュに、「知られざる」産業発展の確かな手ごたえがあるということを伝
えたくて、我々は本書を出版した。

【「黄金のベンガル」に縛られた過去】
 バングラデシュは英領時代からパキスタン時代に至るまで、ジュートや米を中
心とした農業を担うことが求められた。長い間、黄金色のジュートや米が豊かさ
の象徴であったため、バングラデシュを含むベンガル地域は「黄金のベンガル(
ショナル・バングラ)」と呼ばれた。
 しかし、農業に根差した繁栄が、逆にバングラデシュを農業に縛りつけること
になった。英領時代には、ジュートの紡績・織布工場さえ東ベンガル(後にバン
グラデシュとして独立する)には立地しなかったし、パキスタン時代には西パキ
スタン資本が東パキスタン(東ベンガル)経済において支配的であった。さらに
独立後は、それらの西パキスタン資本による工場の多くが国有化の対象となった
ため、バングラデシュの工業化はなかなか進まなかった。1970年代後半のジアウ
ル・ラフマン政権、1980年代初めに成立したエルシャド政権へと移るにつれて、
徐々に呪縛が解けていった。

【縫い合わされた工業化】
 1970年代半ばから、東アジア諸国のアパレル・メーカーが、欧米に課せられた
輸入数量制限を逃れるために、代替的な生産基地を探していた。1970年代末には
韓国企業がバングラデシュ企業と提携したり、バングラデシュに工場を設立した
りして、輸出向け縫製業が興った。それまで工場労働には全く動員されなかった
女性労働力を活用し、1985年に輸入数量制限をアメリカ、カナダから課されるよ
うになった後も、輸出向け縫製業は右肩上がりの成長を続けていく。

【群れに追いついた雁】
 縫製業に代表される労働集約産業に牽引される形で産業発展を開始し、その後、
電気機械の組み立てや、その部品の生産へと業種を拡大していくという発展パタ
ーンは、先導国に続き、雁が連なって飛ぶように発展を後追いすることから、雁
行形態型産業発展と呼ばれている。バングラデシュは1990年代から2000年代にか
けて輸出品に占める衣服の割合が4分の3にまで高まり、製造業に関しては、輸出
向け縫製業のモノカルチャー(一つの産業が支配的な経済)と見られていたので
あるが、本書の出版を考えるようになった2010年代前半には、輸出向け縫製業が
国際競争に勝ち残ったことから得られた自信が、靴を含む革・革製品産業、家電
産業やIT産業や製薬産業、ひいては造船業(船の解体ではない)の顕著な拡大を
導いたことが明らかになっていた。1985年に渡辺利夫の名著『成長のアジア停滞
のアジア』(東洋経済新報社)において、「停滞のアジア」の代表として位置づ
けられていたバングラデシュが、遂に東アジアの雁行に追いついた感がある。

【次は何でショナル・バングラ】
 バングラデシュはそもそも、人口が1億6000万人とも言われる人口大国である。
一人当たり所得の上昇につれて、国内市場が拡大していくことが必定である。事
実、拡大する国内市場向けに、家電やバイク、加工食品、医薬品、ITサービスが
供給され始め、スーパーなどの小売業も目に見えて伸長している。このような工
業化の拡大を牽引したのは地場の企業グループであったが、日系企業などの外資
もバングラデシュの可能性に注目し始めている。
 本書はこのような新しいバングラデシュの産業化の動きを捉えて日本の読者に
紹介する、バングラデシュ産業の入門書である。かつて米やジュートで黄金に輝
いたバングラデシュが、今後、世界の中でどのような役割を果たし、新たな輝き
を見せてくれるのか、我々著者達自身がとても楽しみにしているのである。

■3)第1回日本バングラデシュ次官級定期協議の開催(外務省資料)
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_001750.html
 (外務省 平成27年2月5日)

1. 本5日,バングラデシュのダッカにおいて,杉山晋輔外務審議官は,シャヒドゥ
ル・ホック・バングラデシュ外務次官(Mr.Md.Shahidul Haque, Foreign Secret
ary)との間で第1回日バングラデシュ外務次官級協議を行いました。

2.本協議は,昨年9月の日バングラデシュ首脳会談において本年早期の開催が決定
され,時をおかずに今回開催されたものです。本協議において,杉山外務審議官
とホック外務次官は,友好的な雰囲気の中で,建設的かつ掘り下げた意見交換を
行いました。本協議は,昨年の両国首相による相互訪問を契機に構築された両国
の友好関係を反映し,心のこもった冒頭発言と共に始まりました。

3.本協議においては,二国間関係,地域協力,多国間協力及び国際情勢の様々な
側面について議論がなされました。両者は,「包括的パートナーシップ」の下で
の両国の緊密かつ協力的な関係の重要性について確認し,昨年5月に安倍総理大臣
が表明した最大6,000億円規模の経済協力を有効に活用することの重要性とこれ
に関する案件の適切かつ円滑な実施を強調しました。また両者は,ベンガル湾産
業成長地帯構想(BIG-B)の下で進められる経済協力の一層の促進について確認
しました(注)。

4.また,外務次官級協議の後,杉山外務審議官は,ハシナ首相,アリ外務大臣,
リズヴィ国際問題担当首相顧問を表敬し,日バングラデシュ関係の更なる発展に
向けた話し合いを行いました。

(注)両国首相の相互訪問を一つの契機として,バングラデシュに進出している
日本企業数はその後の6ヶ月間で,183社から223に増加し,史上初めて,200社を
突破しました。

■4)事務連絡

●第5回 行事のお知らせ(3月3日)【講演会開催】

「バングラデシュ経済概況・ビジネス動向について」

講演者: 日本貿易振興機構 (JETRO) 鈴木 隆史 事業推進主幹(南西アジア)
日 時: 2015年3月3日(火)18:30-20:00(開場 18:15)
会 場: バングラデシュ大使館
     東京都目黒区目黒4-15-15
     アクセス:JR目黒駅より東急バス・三軒茶屋駅行きのバスに乗り、大
塚山下車すぐ。
     (バスの進行方向に向かって、一本目の路地を左へ入る)
参加費: 個人会員・法人会員: 無料
     当日会員申し込みの方も無料となります。
     非会員(一般 1000円/学生 500円)
     参加申込:先着50名様

参加申込み宛先: info(@)japan-bangladesh.org 宛にメールで申し込み願います。
もしくはこちらのフォームからお申込み下さい。
 http://goo.gl/forms/KNHo5MHSF1

記載事項
1)お名前
2)会員区分: 法人会員・一般会員・学生会員・新規入会希望
3)非会員: 一般・学生
4)E-mailアドレス:
5)ご連絡先(電話/携帯電話)
6)関心事項(記載は任意です)

●初年度年会費未納者へのお願い
 一部の会員で未だ初年度の年会費を収めていただいていない方が
 いらっしゃいますが、至急以下の口座にお振込みくださいますよう
 お願いいたします。

 ゆうちょ口座からの振込
 口座名称 一般社団法人 日本バングラデシュ協会
      シヤ) ニホンバングラデシュキョウカイ
 口座記号番号  00160-2-513606

 銀行からゆうちょ銀行への振込
 店名(店番) 019 当座預金
 口座番号 0513606

 会費について:一般法人(営利)会員 5万円、非営利法人 3万円
        個人会員 5千円、学生会員  3千円

 振込の確認後、領収書を発送させていただきます。

また、会員のご紹介での入会案内には、こちらの入会フォームをご利用下さい。
 ●日本バングラデシュ協会 法人申込フォーム
  http://www.japan-bangladesh.org/?page_id=79
 ●日本バングラデシュ協会 個人申込フォーム
  http://www.japan-bangladesh.org/?page_id=85
 ●日本バングラデシュ協会 学生申込フォーム
  http://www.japan-bangladesh.org/?page_id=89

◆その他
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また、メール・マガジンに載せたい昔のバングラデシュ勤務時の思い出など
お寄せ下さい。
 宛先:info@japan-bangladesh.org
(約1000~1200字。体裁上若干の修正あり得ることご了承下さい。)

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