日本バングラデシュ協会に参加の皆様へ

日本バングラデシュ協会 メール・マガジン(第11号)  2015年6月11日

■目次
1)「『復刻版 バングラデシュとの出会い』の出版と
  東パキスタン時代の日本の協力」  会長:堀口松城
2)『バングラデシュでの思い出』  理事:小林 孝雄
3)『バングラデシュの政治、経済関係の動きについて』
4)『事務連絡』
 

■1)「『復刻版 バングラデシュとの出会い』の出版と   東パキスタン時代の日本の協力」  会長:堀口松城 1.5月25日の日本バングラデシュ協会主催講演会では、日バ両国関係の礎を築 かれた故早川崇議員が、自らのバングラデシュとの交流に関して1978年ごろ記さ れた『バングラデシュとの出会い―民族と国境をこえて―』を、このたびご子息 の早川鎮氏が、当協会理事でもあるNHK国際放送局の渡辺一弘氏の協力を得て復 刻版を出版されましたが、その経緯について、お二人から興味深いお話がありま した。 この復刻版は、早川鎮氏のご厚意で上記講演会出席者に配布されましたが、6月 27日の第2回総会出席者にも贈呈されるとのことです。文字通り日本バングラデ シュ関係の礎を築かれた早川議員ご自身の手になる貴重な記録であり、是非一読 をお勧めします。 早川、渡辺両氏のお話のなかで、今回の復刻版の出版準備過程で、早川議員が66 歳の若さで亡くなられたため未整理のまま残された日本バングラデシュ関係の諸 資料の中から、後にご紹介する東パキスタン時代の協力に関する記録を含む貴重 な諸資料の発見が報告されました。 また、この作業と並行して、生涯をベンガル語の研究に捧げられた故奈良毅東京 外国語大学名誉教授(2014年1月逝去)が数多くの段ボールに残された資料整理 が行われましたが、その際に多数の貴重な資料とともに発見された1973年10月の ムジブル・ラーマン首相訪日時の大歓迎ぶりを撮影した記録映画が、今回の講演 会の冒頭に上映され、モメン大使はじめ出席者全員が熱心に見入っていました。 なお、講演会では故奈良教授の上記資料やバングラデシュとの関係について、奈 良夫人からお話しがありました。 2.さて、前述のように、今回早川氏によって発見された資料の中に、東パキス タン時代に領事さらに総領事として計8年間勤務された竹中均一氏が、1972年に 書かれた「私とバングラデシュ―バングラデシュの想い出」と題する回想文があ り、この回想文は上記復刻版に収録されています。 この竹中氏の回想文には、東パキスタンに来訪する邦人は誰もが人々の親日ぶり に驚くが、その理由として、強敵ロシアに対する日本の大勝、チャンドラ・ボー ス率いるインド国民軍への日本軍の援護、戦後の日本の驚異的発展ぶり、そして 日本政府の、また現地在住の日本人の各分野における行き届いた経済、技術協力 が挙げられています。 なかでも経済技術協力の具体的内容として、①東パ州政府には当時専門家がいな かったため、印パ分離前にカルカッタにいてその名を知られていた中田一夫氏が 工業局長として招請されて3年間勤め、また、国方源八氏はガラス技術者として ベンガルに50年間滞在し、この両名がバングラデシュ工業開発の先駆者となった こと、②10以上のマッチ工場と紡績工場建設への日本の援助は百億円以上になる こと、③農業面ではコロンボ計画により派遣された川路国三氏ら4名の農業青年 が、各地で農民の指導を行い、現地の平均収量の3倍の実績を上げたこと、④ダ ッカに東南アジアで初めて設立された農業訓練センターがのちに農業機械化セン ターとなって、農業技官の再教育に多大な貢献をし、その結果「日本式農法」は バングラデシュ隅々に知れ渡ったこと、⑤日本の農協制度もコミラ農村開発アカ デミーへの協力で広く採用されたこと、⑥灌漑、農地改良のため4名の専門家が 数年間派遣されたこと、⑦漁業関係では日本政府による漁業探知機や小型漁船が 贈与されたこと、⑧治水と橋梁架設の協力を通じてバングラデシュの河川の実情 は日本が一番知っていることなどの多数の具体例が紹介されています。 そして、回想文はこの項の最後に、バングラデシュの独立以前の日本の対パキス タン援助総額の約3分の2が東パキスタンに充てられ、日本の近代工業力が他の援 助国の群を抜いてこの国で開花していることはわれわれの誇りであり、将来の日 本からのますますの協力の可能性を示唆するものであると記しています。 3.私はダッカ在勤中に、東パキスタン時代は西パキスタン政府からの「植民地 的な」扱いの下で大して開発は進まず、日本の東パキスタンに対する協力につい ても、コミラの農村開発アカデミーを見学した際上記の実績は聞いてはいたもの の、カルナフリ製鉄所などの失敗例のイメージが大きく、その実績全体について きちんと勉強していませんでした。 そのため、日本とバングラデシュとの良好な関係はバングラデシュ独立前後から 始まったと認識していただけに、この竹中総領事の回想文に書かれている諸点は 大変新鮮でした。バングラデシュ誕生以前に先人たちが培った友情や実績が独立 後の友好関係の発展の豊かな土壌になっていたのです。 もとより、当時の日本の協力の上記具体例の数も量も独立後の協力の規模からす れば大分見劣りはしますが、それでもこの限られた政府及び民間レベルの協力を 実施した私たちの先輩たちの態度が、今も変わらない誠意と熱意をもって東パキ スタンの人々の心をとらえたのではないかと確信する次第です。 ■2)『バングラデシュでの思い出』  理事:小林 孝雄 私が初めてバングラデシュを訪れたのは2001年11月下旬だった。それまで、一度 も出張したことのない国へ赴任するとは思ってもみなかった。空港で駐在員二人 の出迎えを受けて、車に乗った途端、「支店長、明日はハルタルなので会社は閉 めます。」と言われた。初日はまずNS(ナショナル・スタッフ)に自分の思うと ころを述べ、懸案事項について各NSとよく話をしようと決めていた私は、肩透か しをくらい、出鼻をくじかれてしまった。やはり、こういう国では予定は未定で あり、あまり急がず、動く前には、まずひと呼吸おいた方が良いという事のよう である。 バリダラ・グルシャン地区はハルタルの時も安全だという事で、初日は日本大使 館へ行き、小林二郎大使にご挨拶に伺った。小林大使からは、「困った事に、ハ ルタルはこの国では年中行事のようになっている。政策的には、AL(AwamiLeag ue)もBNP(BangladeshNationalistParty)も、あまり違わないのですがねえ… 」との説明があった。 着任後まもなくイードがあり、NSへのボーナス支給日に合わせて使用人にもボー ナスを支給したのだが、その翌朝ベアラ(給仕)がチョキダル(門番)のS君が ボーナスの事で何やら私に話があると言う。ひょっとすると前任者から聞いた門 番の給与額を私が間違えていたという事だろうか?と思いつつ、S君の話を聞く ことにした。S君は玄関の階段の下に直立して、何やら言ったあと100タカを私に 差し出した。ベアラの通訳では、「昨夜もらったボーナスが自分の給与1ヶ月分 より100タカ多かったのでお返しします。」とのことである。てっきりボーナス が少ないと文句を言われるのだろうと思っていた私は、多いのでお返ししますと 言うS君にびっくりした。 国民一人当たりの年間GDPがUS$330(一日US$1未満 !)と言われている世界の最貧国バングラデシュに、S君のように貧乏でも馬鹿 正直に生きている人がいることを知り、大きな感動を覚えた事を今も鮮明に思い 出す。往々にして、外国についての印象は、その国の人々との最初の個人的な経 験が大きく左右するものであるが、“貧すれど貪欲にならずに正直に生きる”と いうS君が、私の門番であった事は幸運な事であった。因みに、その後のS君だが、 私が離任する1年程前にはベアラに昇格させ、自宅接待の時は給仕として忙しく 働いてもらった。 月日の流れは早いもので、あれから14年近く経過した。当時と最近のバングラ デシュを比較すると、人口は1億3千万人⇒1億5千万人、国民一人当たりのG DPはUS$330⇒US$960。 ナイジェリアを抜いてから世界汚職度ワーストNo.1を3 年連続維持だったのが、今やワースト10にもはいっていないという快挙。 日本 からの援助は非年次供与国の為、2年で150-200億円程度の円借款+債務救済無 償という特別枠しかなかったのに、これから4-5年で6,000億円もの円借款がで る国になるとは夢にも思わなかった。唯一、昔と変わらない事は、ハルタルが続 いている事のようである。真面目で働き者が多いバングラデシュが、各界で良き リーダーを得て、益々発展することを祈念している。 ■3.バングラデシュの政治、経済関係の動きについて ◆パラク・バングラデシュ人民共和国   郵便電気通信情報技術担当国務大臣による表敬  http://www.soumu.go.jp/photo_gallery/02koho03_03001061.html  (総務省 平成27年5月13日) 平成27年5月13日、西銘総務副大臣は、パラク・バングラデシュ人民共和国郵便電 気通信情報技術担当国務大臣による表敬を受け、防災ICT、サイバーセキュリティ をはじめICT全般に関する意見交換を行いました。 ◆国際交流基金 -バングラデシュ(2014年度)2012年度日本語教育機関調査結果  https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/area/country/2014/bangladesh.html  日本語教育の実施状況  2012年度日本語教育機関調査結果  機関数  24  教師数  79  学習者数  初等教育 中等教育 高等教育 学校教育以外 合計   250   166  1,356544   2,316 日本語教育の実施状況 全体的状況 沿革  バングラデシュ独立後間もない1972年に在バングラデシュ日本国大使館内に日 本語学校が設立された(以後、大使館の移転にともない、ダッカ日本語教室とし て独立し活動していたが2010年1月に閉校)。  同年、ダッカ大学国際関係学部の外国語履修科目として日本語が導入され、日 本語の授業が開始された。1974年、同大学内に現代言語研究所が設立され、1983 年から現在に至るまで当地における日本語教育の中心的施設として日本語学習4年 コース(学位取得不可)が開設されている。(同研究所には、1974年から1998年 にかけて、国際交流基金の専門家が派遣されており、その後、2004年から2008年 まで青年海外協力隊員が派遣された)。1996年にラジシャヒ大学、1997年にジャ ハンギノゴル大学(2009年から青年海外協力隊日本語講師を派遣)、2002年には クルナ大学で日本語初級前半レベルの日本語の授業が開始された。バングラデシュ 日本留学同窓生協会(JUAAB)でも2004年から日本人教師による日本語会話コース、 初級前半・後半コースが運営されている。また、2006年からダッカ大学日本研究 センター(JSC)で日本研究修士課程に日本語初級前半コースが、2008年に同ダッ カ大学国際関係学部で新たに学部内独自の日本語教育が、それぞれのカリキュラ ムに応じて行われている。2009年、スタンフォード大学(私立)に8か月間の日本 語コースが開設され、2011年には、国立チッタゴン工科大学に日本語コースが開 設された。  その他、バングラデシュ人日本語教師が初級前半レベルを教える民間日本語教 育機関が約30校運営されている。  また、日本語能力試験は2001年から実施されており、各年の受験者数は次のと おりである。2008年249名、2009年273名、2010年第2回208名、2011年第1回109名、 第2回120名、2012年第1回92名、第2回129名、2013年281名(ゼネストにより中止 になったため、申請者数を記載)。 ※詳細はリンク先をご確認ください。 ■バングラデシュ人民共和国向け無償資金協力贈与契約の締結  -日の丸印のごみ収集車を活用した都市生活環境の改善-  http://www.jica.go.jp/press/2015/20150521_1.html  (国際協力機構 2015年5月21日) 国際協力機構(JICA)は、5月20日、バングラデシュ人民共和国政府との間で「廃 棄物管理機材整備計画」を対象として14億8,600万円を限度とする無償資金協力の 贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。 本事業は、南ダッカ市、北ダッカ市、チッタゴン市を対象地域として、廃棄物収 集車両(コンパクター等)150台の供与と整備、およびメンテナンス体制の構築を 行うものです。 バングラデシュでは、都市への急速な人口集中や市街地の拡大に伴い、都市にお ける廃棄物やスラム拡大など、都市環境の悪化が深刻な課題になっています。と りわけ、首都の南ダッカ市や北ダッカ市、及び第二の都市であるチッタゴン市で は、人口急増や経済発展に伴う廃棄物の増大により住環境が悪化しています。 本事業では、対象3都市の廃棄物収集量を1日あたり1830トン増加し、廃棄物収集 率を84%に上昇する予定です。その結果、地域の衛生や生活環境改善に寄与し、バ ングラデシュの都市開発に資することが期待されます。 JICAは、2009年に「ダッカ市廃棄物管理低炭素化転換計画」を実施しており、ダ ッカ市(当時)に日本製の廃棄物収集車両100台を供与しました。同車両は対象地 域の廃棄物問題解決に大きく貢献しており、“日の丸印のごみ収集車”はダッカ 市民の間で親しまれています。本事業はその後の廃棄物収集の需要増に応えるも のですが、衛生的な日本のごみ収集車がバングラデシュでさらに活躍することで、 住民の廃棄物管理に対するイメージが改善・向上することも期待されています。 JICAは本案件に加え、今後、技術協力プロジェクトでも各市の廃棄物管理能力の 向上を図るとともに、協力隊派遣等を通じて住民に対する衛生教育や啓発活動を 行い、同国の都市環境改善を包括的に支援していきます。 ■「考え方おかしい」と密航非難=処罰強化へ-バングラ首相  http://www.jiji.com/jc/zc?k=201505/2015052500111  (時事通信 2015年5月25日)  【ダッカAFP=時事】バングラデシュのハシナ首相は24日、ミャンマーの イスラム系少数民族ロヒンギャと共にバングラデシュ人を乗せた密航船が洋上で 次々発見されている問題について「自国に仕事はいくらでもあるのに破滅的なや り方で国を出ていこうとする。考え方がおかしい。国の印象を悪くしている」と 非難した。国営バングラデシュ通信が伝えた。  また「違法に出国する者には、密航業者と一緒に罰を与えてやらないといけな い。これを大々的にやれば、誰も密航業者に金を払わなくなるはずだ」と訴えた。 密航船問題についてハシナ首相が発言したのは、問題が表面化してから初めて。 ■インド・バングラデシュ:飛び地交換、国境画定で合意  http://mainichi.jp/select/news/20150607k0000m030077000c.html  (毎日新聞 2015年06月06日) インドのモディ首相は6日、バングラデシュの首都ダッカでハシナ首相と会談し、 両国の国境付近に点在していた飛び地領土の交換などを通じて、国境を画定させ ることで正式に合意した。国境画定を巡っては両国が1970年代から交渉を続 けていた。インド側は、バングラデシュで中国の影響力が増す中、長年の懸案事 項を解決し、関係強化につなげる狙いがあるとみられる。  インドメディアなどによると、両国はそれぞれ自国側にある相手国の飛び地を 接収する。飛び地はバングラデシュ側に111カ所(総面積約6900ヘクター ル)、インド側に51カ所(同約2800ヘクタール)あり、計5万人以上が暮 らす。飛び地の住民は、その場に残って相手国の国籍を取得するか、自国領へ移 住するかを選べる。  両国は74年、領土交換の実施で合意。2011年にはインドのシン前首相と ハシナ氏が国境画定に向けた議定書に調印した。先月にインドの上下両院が領土 交換を認める憲法修正案を可決し、今回の正式合意につながった。  会談後の共同記者会見で、ハシナ首相は国境画定について「歴史的な瞬間だ」 と歓迎。モディ首相も「国境地帯がより安全で安定するだろう」と応じた。  飛び地は17世紀ごろ、周辺を支配していたクーチ・ビハール藩王国とムガル 帝国との間で領土争いが起きたのがきっかけで形成されたとされる。1947年 に周辺地域が東パキスタン(現バングラデシュ)として分離独立したが、藩王国 はインドへ帰属したため、多数の飛び地ができた。飛び地では国境線をまたぐ移 動が制限され、自国の支配が及ばなくなったことから、インフラや公共サービス の整備が遅れたとされる。  両首脳は会談で、国境沿いの人身売買や麻薬取引などの違法行為の取り締まり やテロ対策などについても協議した。 4.事務連絡 □第7回 行事のお知らせ 【講演会開催】  http://goo.gl/64YZeJ 【講演会開催】シャプラニールの43年の歩み 「すべての人々がもつ豊かな可能性が開花する社会の実現」を目指して 1972年からバングラデシュで活動を続けるNPO「シャプラニール=市民による海 外協力の会」。 設立当時から活動を支えてきた講師がわかりやすくお話します。 ◇講 師:大橋正明氏 日本バングラデシュ協会副会長、シャプラニール=市民による海外協力の会評議 員 (元事務局長・元代表理事)、(公財)早稲田奉仕園常任理事、聖心女子大学教授 ◇主催:一般社団法人 日本バングラデシュ協会    http://www.japan-bangladesh.org/  共催 シャプラニール=市民による海外協力の会    http://www.shaplaneer.org/  協力 早稲田奉仕園    http://www.hoshien.or.jp/ ◇日 時:7月1日(水) 18:30~20:30 ◇会 場:早稲田奉仕園 リバティホール ◇参加費: 個人会員・法人会員: 無料      当日入会申し込みの方も無料となります。      非会員(一般 1000円/学生 500円) ◇参加申込:先着50名様 ◇申込方法:こちらからお申し込みください。  https://docs.google.com/forms/d/1KQ1TryZPCY-_furNVGWmNlc6B9sYgz5bqfHaPk2lWTQ/viewform?c=0&w=1  もしくは 本メールへの返信で申し込み願います。  記載事項  1)お名前  2)会員区分:法人会員・一般会員・学生会員・新規入会希望  3)非会員: 一般・学生  4)E-mailアドレス:  5)ご連絡先(電話/携帯電話)  6)関心事項(記載は任意です) 皆さまのご参加をお待ちしております。 本協会の活動などについてご意見等ありましたら、お知らせください。 また、メール・マガジンに載せたいご意見、情報、その他昔のバングラデシュ 勤務時の思い出などお寄せ下さい。 宛先:info@japan-bangladesh.org (約1500字。体裁上若干の修正あり得ることご了承下さい。) =============== 一般社団法人 日本バングラデシュ協会 http://www.japan-bangladesh.org/