■目次
1)『日本バングラデシュ協会メルマガ37号会長メッセージ

       ―静岡県とバングラデシュの交流―』  会長:堀口松城

2)『「タゴールソング」について』                 会員:奥田由香

3)『現地だより』       会員: 三菱自動車工業株式会社  齊藤晋太郎

4)ワークショップのお知らせ

5)『事務連絡』

 

■1)『日本バングラデシュ協会メルマガ37号会長メッセージ

―静岡県とバングラデシュの交流―』     会長:堀口松城

1.7月25日、JICAの「地方都市行政能力強化プロジェクト」の下で、静岡市を訪ねたバングラデシュの24名の市長、4名の政府関係者など30名と静岡県側関係者との親睦会が、静岡市内のコミュニティー・ホールで開催されました。静岡県側からは吉林副知事、田辺静岡市長、林「静岡市バングラデシュ交流協会」会長など多数の県会議員および市会議員のほか、バングラデシュに関係を持つ大勢の民間の関係者や静岡県内に住むバングラデシュの方々も家族とともに集まり、また、ファティマ・バングラデシュ大使やJICA関係者も参加され、来賓による歓迎の挨拶の後、懇談そしてバングラデシュ楽器の演奏と続きましたが、温かい雰囲気に包まれた親睦会の総参加者は百四十名に達する盛況ぶりでした。

このJICAプロジェクトは、バングラデシュの、日本の地方でいえば中心都市に相当する300以上の「ポルショバ」の中から7都市を選び、①地方都市行政能力強化のための開発計画を作り、②地方行政官の能力向上の研修を行い、③そこで学んだ、例えば改善された徴税能力を実際に試すことから構成されています。

2.実は昨年も、この同じプロジェクトの下でバングラデシュの市長と政府関係者計28名が静岡市を訪れ、温かい歓迎の中で関連施設を見学し、所期の成果を挙げることができた由です。具体的には同国では地方政府の予算のうち、主たる部分は中央政府からの交付金で賄われますが、地方公務員の給料は各地方政府の税収で賄うことになっており、昨年、静岡市で学んだ改善された徴税方法が印象的であったことから、今年もぜひ静岡にて学びたいとのバングラデシュ側の強い希望によって、研修先として静岡市が再び選ばれたとのことです。なお、本プロジェクト経費のうち、バングラデシュ人参加者のバングラデシュと日本間の航空費や日本での滞在費は、バングラデシュ政府が負担しています。

バングラデシュ市長の一行は、地方行政能力のうち、今回は徴税以外にゴミ処理に関する計画立案と処理能力についても学びたいとして、静岡市滞在中いくつかのゴミ処理施設を見学した由です。全体で6日間の日本滞在中、最終日に東京に立ち寄るものの、残り全ての日々が視察や研修に当てられました。一行の団長格の地方政府省のホサイン次官補は、地方行政能力の向上については話を聞いただけではなかなか理解し難いことが多いが、現場で実際に見るとよく理解できるとしつつ、同時に静岡の人々の温かい歓迎に特に感謝していました。

3.ここでご紹介したいのは、昨年に続きこの親睦会を、日本人の友人の実業家と実際に企画、実施したニアズ・アハメッドさんというバングラデシュ人のことです。

彼は23年前に日本に来て、日本語学校と専門学校で学び、東京で8年貿易関連の仕事についた後、静岡で事業を始め、当初はバングラデシュ刺繍などを売っていましたが、やがて日本人実業家とハラル・フードのビジネスを興し、同フードの販売と料理店を始めました。やがて、静岡県立大学の協力を得て、ハラルの認証を廉価で行うNPOを立ち上げ、同時にハラルの抹茶やオデンさらに赤サツマイモなどの新商品を次々に売り出し、成功を収めています。一方で、ダッカに「サクラ・アカデミー」を開校し、バングラデシュ人を対象に、日本語と日本で生活する上で必要な習慣も同時に教え、これまで100名を超える同校の卒業生たちが東京、埼玉、栃木や福岡などに来てそれぞれ活躍している由です。

また、ニアズさんは本親睦会でベンガル楽器による演奏を披露した楽団「ウットロン」の構成員で、ニアズさん以外はいずれも東京に住み、普段は会社に勤め、今回の様なイベントがあれば交通費だけでやってきて演奏してくれる由です。30年前、まだ日本にくる以前から、この楽団の仲間と相談し、わずかなギャラから少しづつ貯金し、バングラデシュの銀行に貯蓄して増やし、毎年バングラデシュの医療学校に学ぶ4名の学生に奨学金を出し、感謝されているとのことです。(この「ウットロン」は「乗り越える」の意味の由です。)

4.ニアズさんがなぜ静岡に住み、ビジネスを始めたかについて尋ねてみましたら、故郷のナルシンジで、静岡の人の心の温かさについて聞いていたが、初めて静岡に来たときにそれを実感したこと、東京と大阪の間にあって、静岡の人たちに気に入られるものは東京でも大阪でも日本全体で売れると聞いていたこと、東京に近いこと、そしていつも富士山を見られることを挙げていました。

ニアズさんは2年前に上記の県会議員、市会議員や友人とともに「静岡市バングラデシュ交流協会」を立ち上げ、会員はフェース・ブックを通して68名になっている由です。昨年、初めて開催したラマダン明けの「イフタルの夕べ」には、240名もの参加者があり、次いで同年「ハラル・フード・ナイト」を開催したところ、静岡選出の望月衆議院議員をはじめ県会議員、市会議員を含む多数の参加を得た由であり、彼は、今後とも静岡とバングラデシュの友好関係促進のために微力を尽くしていきたいと語っていました。

私はこれらの力強い動きを念頭に、来賓の一人としての挨拶の中で、静岡における日本とバングラデシュの協力が、今後「静岡モデル」として大いに発展することを期待したい旨述べましたが、日本バングラデシュ協会としても、東京以外の地区における日バ協力団体との関係強化を念頭に置いて、静岡市における活動との協力を進めていけたらと考えています。

 

 

■2)『「タゴールソング」について』         会員:奥田由香

 

東京外国語大学ベンガル語講師の奥田由香です。三十数年前、ビッショ・バロティ(通称タゴール国際大学・大学院)でタゴールソングを学びました。歌を通してタゴールのメッセージを伝えることが喜びです。

「タゴールソング」とは何か。それは、詩人ラビンドラナート・タゴールがベンガル語で作詞し、自身で作曲したオリジナル楽曲の総称です。一人で二千曲以上もの歌を作詞作曲したと聞けば驚かれるでしょう。しかも、年齢層、階級、宗教の違いなどを越えて今も尚、親しまれているのです。

旋律には、インド古典音楽、民族音楽、そして西洋音楽からもエッセンスを取り入れ、平和への願い、自然との調和、生と死を見つめる祈りなど、テーマも実に多様です。また、歌劇や舞踊劇の大作もあります。この様に、タゴールソングは「タゴールの世界観」を表現しているのですが、同時にベンガルの人々にとって「我が心の歌」なのです。歌を通して共有する世界があるとは、なんと素晴らしい財産でしょう。

しかし、その民族性ゆえに、外部からは分かりづらい、ということも確かでしょう。そもそも「タゴールソング」は、一つのイメージで捉えきれないのです。日本の民謡、童謡、或いは流行歌といった音楽ジャンルに例えようがなく、他国人にとって、経験値で推し量ることのできない歌の世界、或いは音楽の概念を超えた表現のカタチと言えば潔いかもしれません。

ところで、当会の皆様方は、折に触れ「タゴールソング」を耳にしてこられたのではないでしょうか。そして、「タゴールソング」を歌う習慣について、不思議に思われたかもしれません。

ベンガルの歴史を振り返れば、民族の分断、母語略奪の危機など、彼らには脅威と闘ってきた痛みがあります。そんな人々の心の襞に、タゴールの歌は寄り添うように、いのちを吹き込んだのです。歌によって、いのちの尊厳がどれほど潤されたことでしょう。民族の調和を願うタゴールの歌は、インド並びにバングラデシュの国歌としても掲げられました。

そうした背景とは異なるものの、私たちにも悼みはあります。いのちの重みに押しつぶされ、言葉を失い、暗闇の底から微かな光を求めもがく苦悩の歩みが。その哀しみでタゴールソングに触れる時、一歩、歩み寄ることができるのかもしれません。

なぜなら、タゴールソングは、いのちで感じるものだからです。いのちの尊さを伝え続け、多くのいのちを見送った日本人医師、日野原重明さんがご逝去されましたが、生涯、心の平安を求める眼差しはタゴールと響きあっていました。終末期医療で、タゴール『最後のうた』を支柱とされていたのです。「~与えるすべてを与えつくし その返礼に いくらかの愛と いくらかの赦しが得られるなら わたしは それらのものを たずさえて行こう~」

タゴールは、こんな願いを伝えています―詞と旋律の織りなす究極の美を注ぎこんだので、あるがままのメッセージを受け取ってほしいと。喜びも悲しみも不安も時を越え共有できる、そんな強い信念の元、後世に希望を託したに違いありません。

そして、そこには、日野原先生が受け止められたように、言葉の違いを超えた普遍 性があるはずです。タゴールソングは何かと問われれば、普遍の光を乗せた葉っぱの小舟のようなもの、そんな風に返してみたいです。

現在、ベンガル語の指導に当たりながら、タゴールソングに触れる機会を設けております。学生たちには、それぞれ目指す方向がありますが、いつの日かタゴールの歌が、彼らの行く道を照らしてくれることがあるかもしれない、そう信じています。

বিপদে মোরে রক্ষা করো এ নহে মোর প্রার্থনা

「苦難なき道を願いはしない 苦難こそ恐れぬ自分でありたい」

 

 

■3)『現地だより』      会員: 三菱自動車工業株式会社  齊藤晋太郎

 

  • 私たち三菱自動車は、バングラデシュの民間企業であるRANGS LIMITED(RANGS社) および政府工業省傘下企業であるPRAGOTI INDUSTRIES LIMITED(PIL社)を現地パートナーに、同国で新車の自動車事業を展開させて頂いております。
  • RANGS社にはダッカ管区を拠点に当社が日本やASEAN域内で生産した完成車の輸入・民間向け国内販売・サービスを、またPIL社にはチッタゴン管区を拠点に当社SUV“ パジェロスポーツ”の現地組立生産と政府機関向け販売・サービスを担って頂いております。
  • 堅調な経済成長を続けているバングラデシュですが、一方では未だ経済格差は大きく、四輪乗用自動車の需要は、年間で約2.5万台、うち新車5千台、中古車2万台と、周辺のアジア・アセアン諸国に比べるとその規模は小さく、自動車モータリゼーションまでには まだまだ長い年月を要する市場であるというのが実情です。
  • バングラデシュでは車両輸入時の関税も非常に高く、日本で約200~300万円の車が、現地では1000万円近い高級品になってしまいます。
  • この為、同国で新車を購入されるお客様は、入札やフリートによる官民企業団体様が多く、また一般のお客様ではどうしても富裕層の方々に限られてしまうというのが現状です。
  • 近年では、ダッカ‐チッタゴンHighwayが開通するなど、政府によるインフラ事業への取組みも目覚しく、今後、同国の経済成長と共に税制・法規等も整備されてくることで外国企業の投資や誘致も活発になり、バングラデシュの活性化に繋がるものと期待しています。
  • RANGS社は1980年より当社の現地販売代理店として、お客様に三菱車の良さを知って頂くことに取り組んでおります。その国の環境に合せて開発されたメーカー仕様車に乗って頂き、メーカー規格の一貫したアフターサービス体制の下に、メーカー純正部品を使った整備を施すことで、より快適で、より安心できるクルマLIFEを楽しんで頂けるよう努めています。
  • PIL社では、2011年より三菱パジェロスポーツSUVの組立生産を行ってきましたが、今般2017年4月よりフルモデルチェンジによりデザインを一新致しました。車両の現地生産化では立上げまでに1年以上のリードタイムを要することから、2016年度は通年に亘り 現地へ技術支援者を派遣するなど立上げに従事して参りました。昨年7月のダッカでのテロ事件以降、当社もバングラデシュへの渡航規制が掛かるなど一部活動が制限されるような事態にも直面しましたが、PIL社およびRANGS社に迅速、かつ安全な受入体制を整えて頂き、またバングラデシュ警察当局からも全面的なご支援を頂けた事から、計画通りに車両の量産を開始することが出来ました。
  • 数多くバングラデシュの方々を存じ上げているわけではありませんが、私の知るバングラデシュの人々は 皆ホスピタリティに溢れ、相手への礼儀・礼節を重んじた親日感情の強い方々ばかりです。パートナーという枠組みを超えた絆を生み、時にそれは相手への強い信頼感へと変わっていきます。その彼らの存在があったからこそ私たちはテロ事件後も、臆する事無く、多くの技術者を現地へ派遣し、安心して立上げ活動に従事出来たのだと思っており、心から感謝しています。
  • 現地国産化は、現段階ではSemi-Knocked Down(SKD)と呼ばれる簡易組立生産に留まっており、車体やエンジン、自動車部品のほか、塗料等の材料に至るまで構成部品の大半は まだまだ輸入に頼らざるを得ない環境ではありますが、引き続き自動車の生産・販売というものを通じて、“日本車”というものへのプライドを持ちながら、少しずつ現地の人材・技術者の育成と現地雇用の拡大を進め、バングラデシュの経済成長の一助となれるよう努めて参りたいと思います。そして、近い将来バングラデシュが現在のタイやインドネシアの様なASEAN地域に並ぶ大きな自動車市場に発展する日を夢見て、現地パートナーと共に一歩ずつ、着実に、地元に根付いた活動を継続して行きます。
  • 最後に 皆様、現地でお車をお求めの際は、是非ともRANGS社へお声掛け下さい!!
  • <RANGS社>

Company:  Rangs Ltd. Address:  215, Tejgaon Industrial Area, Bir Uttam Mir Shawkat Sarak, Dhaka-1208, Bangladesh. Phone  : +880-2-8814-180 Fax     : +880-2-8824-393
■4)★ワークショップのお知らせ★ (8月20日、27日)

~詩人タゴールの故郷ベンガルを唄いましょう~

皆さまのご参加を楽しみにお待ちしております!

詳しくは、こちらをご覧ください。   http://konikayuka.wixsite.com/konika/blog
■5)『事務連絡』

 

会員情報変更届のお願い:

事務局では会員各位の連絡先等の最新版を常備する必要がありますので、皆様の住所変更、メールアドレスが変更されました場合は

info@japan-bangladesh.org <mailto:info@japan-bangladesh.org>

までお知らせ下さるようお願い致します。

 

年会費の送付先:

平成29年度年会費が未納の場合は、下記協会のゆうちょ口座へお振り込下さるようお願いします。

ゆうちょ口座からの振込

口座名称 一般社団法人 日本バングラデシュ協会

シヤ) ニホンバングラデシュキョウカイ

口座記号番号  00160-2-513606

 

本協会の活動などについてご意見等ありましたら、お知らせください。

また、メール・マガジンに載せたいご意見、情報、その他昔のバングラデシュ勤務時の思い出などお寄せ下さい。

宛先:info@japan-bangladesh.org

(約1500字。体裁上若干の修正あり得ることご了承下さい。)

 

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一般社団法人 日本バングラデシュ協会

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