日本バングラデシュ協会の皆様へ

■目次
1)『日バ協会メルマガ58号会長メッセージ
―第6回社員総会、懇親会へのお誘い―』        会長 堀口松城
2) 企業便り『バングラデシュの方々への健康貢献』
大塚製薬株式会社 大塚インターナショナル アジア・アラブ事業部迫上智博
3) 会員便り 『ダカで澄んだ空気を吸えるのはいつ?』
北九州市立大学法学部政策科学科教授 三宅博之
4)『 地方から見たバングラデシュの思い出』( 連載その3 )
監事 伊藤隆史
5)イベント、講演会の案内

6)『事務連絡』

■1)『日バ協会メルマガ58号会長メッセージ
―第6回社員総会、懇親会へのお誘い―』                会長 堀口松城

1.発足して6年目を迎える日本バングラデシュ協会は、来る6月8日(土)
第6回社員総会を開催する予定です。本総会では下記の諸問題が取り上げられる予定です
が、過去5年間の成果並びに改善点に関する議論とともに、6年目に入る本協会のこれから
の方向及び具体的方針について会員の皆様の活発なご意見を頂き、今後の活動に活かして
いきたいと考えています。
また、社員総会後の懇親会では、ファティマ・バングラデシュ大使の他、外務省及び経
産省のバングラデシュを主管する課長ないし室長からのご挨拶の後、例年に倣い、東京外
国語大学のベンガル語学科の学生によるパフォーマンスを予定しており、その後、これら
学生との懇談も予定しています。
普段、お仕事の都合、或いは、お住いの関係等の理由で、日バ協会の講演会やその後の
懇親会に出席になれない会員の皆様が、久しぶりに再会され、バングラデシュを共通の話
題として楽しいひと時を過ごされるよう願っています。

2.本協会の平成29年度末の会員数は個人会員136名、法人会員39名(うち非営利法人会員
3社)であり、前年比では個人会員は6名減ですが、これは、主として講演会などに参加で
きない地方会員の中で退会者があったためです。地方会員の退会者をできるだけ食い止め、
さらにその増員を図るべく、メルマガに『会員便り』を設け、特に地方会員の投稿を推奨
するなどの措置を講じているところです。
他方、法人会員は9社の増加がありましたが、これは4年前、バングラデシュ本協会会員
である先行企業から、新たにバングラデシュへの進出を検討しているか、進出したばかり
の企業に対し、現地で遭遇し、或いは遭遇するだろう諸問題について関連の経験ないし情
報を提供するために設立された「企業情報交換会」の有用性に対する評判の高さが貢献し
ています。

3.2016年7月1日のダッカ・テロ事件の後、外務省の渡航者情報におけるバングラデシュ
の危険度が2に引き上げられ、日バ間を往復する関係者に大きな障害となっています。こ
の企業情報交換会においては、外務省テロ対策室のバングラデシュ担当官から、毎回、治
安状況について説明を受け、出席者から評価されていますが、同交換会における参加企業
側からの諸情報は外務省にとっても貴重な情報源になっている由であり、官民協力の一つ
のモデルになってことをご紹介したいところです。

4.この5年間を振り返りますと、真っ先に挙げられるのは、バングラデシュの経済的、
社会的な目覚ましい発展ぶりです。おそらく、同地にかつて勤務していた多くの日本人が
感じたのは、本来、勤勉で優秀なバングラデシュ人が、あの不毛なホルタルを止めさえす
れば、この国は直ぐにも中進国入りするだろうということであったかと思います。最近の
バングラデシュで起こっていることは、当時予測した通りの結果であり、現在の経済成長
がこのまま続けば、2021年までに中進国入りを目指すとのバングラデシュ政府の目標も実
現可能かと思われます。
独立以来、或いは、東パキスタン時代からの我が国の政府および民間レベルでのバング
ラデシュに対する親身の協力が、今日見るような形で実を結びつつあるのを見るのは、日
バ協会関係者として大きな喜びです。

5.そこで、本協会としては、本年度においても、急速に変わりつつあるバングラデシュ
の政治、経済、社会、文化の各分野における情報の会員への提供を図るとともに、日バ友
好関係の強化、促進に資する活動を引き続き行っていく所存です。具体的には、会員の関
心の高い分野における質の高い講演会事業の拡充であり、講演会後の懇親会のさらなる充
実を図っていく所存です。
また、メルマガは講演会になかなか出席できない地方会員、現役会員と協会を結ぶ事実
上唯一の手段であり、引き続きこれらの会員を含む個人会員からの寄稿を積極的に募集す
る予定です。
さらに、メルマガは、5年前の本協会発足以来のバングラデシュにおける政治、経済、
社会面などの注目すべき事象や、さらに、独立戦争以前の余り記録がない時代からの会員
の貴重な体験記録、或いは個人会員の必ずしも発表の機会がなかった研究、観察等の貴重
な記録が含まれ、日バ関係の民間レベルの記録として非常に意義あるものが少なくないの
で、例えば3年ごとにこれを印刷して記録として残したいと考えています。

6.また、昨年の総会で承認いただいた賛助会員制度にそってバングラデシュ人の入会に
道を開きました。日バ両国の友好関係の強化を目的とする本協会が、日本に住むバングラ
デシュ人との交流を深め、相互理解を図ることは、日バ協会の目的からも望ましく、引き
続きその入会に力を入れていきたいと思います。

7.一昨年の総会で承認いただいた本協会の事務能力の拡充及び社会的信用のための事務
所借り上げのための積み立てについては、一応の規模の事務所借り上げが可能となるまで
、レンタル事務所の借り上げによって最低限の機能を確保すべく、早急に検討を進めてい
く所存です。
引き続き、会員の皆様のご支援をお願い申し上げます。」

■2) 企業便り『バングラデシュの方々への健康貢献』
大塚製薬株式会社 大塚インターナショナル アジア・アラブ事業部 迫上智博

1.当社の概要
1964年に設立。世界の人々の健康に貢献することを企業理念に、「疾病の治癒」から「日
々の健康増進」までを目指したトータルヘルスケアカンパニーとして事業活動を営んでい
ます。「世界の患者さんへ新しい治療薬を提供する医薬関連事業」と「健康な人をより健
康にする製品を提供するニュートラシューティカルズ関連事業」の両輪で、革新的で創造
性に富んだ製品の研究開発、生産、販売を行っています。

2.アジア、中東におきまして
大塚グループでは世界30ヶ国で189社を展開(2018年12月現在)しておりますが、今のと
ころバングラデシュでは活動を行っておりません。
アジア、中東エリアでのポカリスエットを例に上げますと、スポーツ、運動シーン以外に、
デング熱による脱水症状時や、ラマダン明けの渇きを癒すシーンなど、日本ではあまり
見かけないシーンでも幅広く飲用いただいており、バングラデシュの方々にもご提案がで
きるのではないかと考えております。

3.ポカリスエットの特長
発汗により失われた水分、イオン(電解質)をスムーズに補給するための健康飲料です。
体液に近い成分を適切な濃度で含んだ電解質溶液ですので、体内にすばやく吸収されます。
そのため、スポーツや仕事のとき、お酒を飲んだ後や入浴・就寝の前後など、様々なシ
ーンにおいて渇いたからだを潤すのに適しています。

4.ポカリスエット開発話
今からおよそ40年前。これまでにない画期的な飲料の開発を目指す研究員が出張先のメキ
シコでお腹をこわして入院した際、医師から「水分と栄養をしっかり摂りなさい」と手渡
されたのは炭酸飲料。研究者は、「こんな時、ゴクゴク飲みながら栄養も一緒に補給でき
る飲み物があればいいのに」と、思いました。
また、手術を終えた医師が水分補給のために点滴液を飲んでいるのを見たこの研究員は、
「飲む点滴液」というアイデアを提案し、これをヒントに、日常生活において発汗により
失われる水分と電解質(イオン)を補給できる飲料、つまり「汗の飲料」の開発の検討が
始まりました。
当時の日本では、経済が成長し豊かになるにつれて、少しずつ人々の健康志向が高まって
いまして、スポーツやアウトドアなどで余暇を楽しみ、日頃から汗をかくシーンも増えて
きました。しかしより多くの人に飲んでもらえるようにと、この「汗の飲料」は、あえて
スポーツ飲料ではなく、「日常生活の中で飲む健康飲料」として研究開発が続けられまし
た。
そして研究でわかったことは、汗にも種類があるということ。そして、日常における汗の
塩分濃度は、スポーツ時の汗よりも低いということ。この発見をもとに、日常の汗の成分
を再現した飲料を試作したものの、これが苦くてあまり美味しくない・・・。
試行錯誤が続き、その試作品が1000種類を超えたときのこと。「出来そこない同士を混ぜ
たらどうなるかな?」と、たまたま研究室で同時に開発していた柑橘系粉末ジュースを、
その試作品と混ぜてみました。すると、苦味が消え、美味しく飲める味になったのです。
この思いもよらなかった組み合わせによって、汗の飲料の開発は大きく前進しました。
研究も進み、最終的に試作品は、糖質濃度(甘味)が濃いタイプと薄いタイプの2品に絞
られました。当時、飲料といえば「甘い」ジュースなどが主流でした。この試作品のよう
な甘味の薄い飲料ではものたりない、と多くの研究員は考えました。しかし、この製品の
コンセプトである「汗をかいたときに美味しく飲める味」を開発するために、この研究者
は自ら山に登り、実際に汗をかいて試作品を飲むことにしました。すると、甘味が薄いほ
うが飲みやすく、ゴクゴク飲めて、滑らかにのどを通ることがわかったのです。こうして
、最終的な味が決まりました。
1980年、かつてないコンセプトの「汗の飲料」ポカリスエットが発売。しかし、その新し
い飲料のコンセプトが人々に理解されず、なかなか受け入れられなかったのです。
しかし、ここであきらめず「汗の飲料」のコンセプトをきちんと伝えようと、社員はあら
ゆる「汗をかくシーン」を洗い出し、その場に直接足を運びました。水分と電解質(イオ
ン)補給の大切さを伝えながら、汗をかいているときにポカリスエットを実際に飲んで体
感してもらうために配り続けたポカリスエットの数は、初年度だけで3,000万本にもなり
ました。そして発売から2年目の夏。ついにそのコンセプトが人々に受け入れられ、ポカ
リスエットは大ヒット製品となりました。その後も、自社研究所および各研究機関と連携
し、水分補給に関する研究を継続しています。その研究結果とともに、日本のみならず世
界の様々な国や地域において、水分と電解質(イオン)補給の大切さをその土地の文化や
習慣に即したかたちで伝える啓発活動を行ってきており、現在では、ポカリスエットは日
本を含む世界20ヵ国・地域以上で展開するグローバルブランドに成長しています。

バングラデシュにおきましても文化や習慣にあわせた提案で人々の健康に貢献する活動を
行うことで、皆さまと共に日バを盛り上げることが出来る日を目指しています。
引き続き、ご指導、ご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。

■3) 会員便り 『ダカで澄んだ空気を吸えるのはいつ?』
北九州市立大学法学部政策科学科教授 三宅博之

1.私とダカ
私が初めてダカに足を踏み入れたのは、1988年9月上旬の未曽有の洪水のさなかでした。
コルカタからダカの空港に無事に着陸できましたが、ターミナル・ビルを出ると、そこは
一面の水。海と見間違うぐらいでした。両替のための銀行も開いておらず、当時ダカでは
最高級だった、ショナルガオン・ホテルとシェラトン・ホテルの送迎バスしか見当たりま
せんでした。両替をしなければならなかったため、宿泊予定でなかったシェラトン・ホテ
ルで一泊しました。翌日、グルシャンのゲストハウスに向かいましたが、リクシャのペダ
ルが浸かるぐらいまで地面は水没していました。当時は、まだ自動車も少なく、排気ガス
もさほど気になりませんでした。郊外の村に調査に行くにもテンポ(もしくはテンプ)
(下記注を参照)を借り切って出かけました。
(注)自動三輪車で後ろに平行に椅子があり、客を乗せる。後ろ側が空いていて、そこか
ら乗り降りする。8人~10人が定員。もちろんそれ以上に詰め込むこともある。通常は、
一定のルートを持っている。CNGの前身にあたるベビータクシーよりははるかに乗車料金
は安く、気軽に乗り降りできる)
最近はと言えば、1960年代の日本の大都市以上に、様々な公害に人々は悩まされています。
騒音、交通渋滞、大気汚染などです。年に2回ほどバングラデシュのダカに廃棄物管理に
関する調査で出かけています。廃棄物管理の中でも社会配慮的視点からの調査研究です。
具体的には、清掃人の社会経済状況、ウェイスト・ピッカー(有価ゴミ収集人)の実態
(特に未成年者に限定)、環境教育や地区内の廃棄物管理ガバナンスに関するものです。

2.気懸かりな2点
最近、気にかかっていることを2点あげたいと思います。私の研究とも関連しているもの
です。
(1)    一点目は、大気汚染です。
インドのデリーや中国の北京では大気汚染、中でもPM2.5の値は非常に高くて有名ですが
、ダカも同様です。バングラデシュでは何ヶ所の地点できちんとPM2.5が測定されている
のでしょうか?
スマートフォンは、バリダラ地区の米国大使館が測定している値を出してきます。気象台
も測量しているはずですが、なかなか世間の人たちの眼にはその値は飛び込んできません

よって、私は、簡易のPM2.5測定器を持ち歩き、ダカのあちこちで計測しています。私の
調査地であるある清掃人コロニー(居住区)の中では380µg/㎥という値が出ました。通
常、コロニーの中は 200µg/㎥以上の数値が出ています。日本の環境基準値は、一年平均
値が15µg/㎥以下かつ一日平均値が 35µg/㎥以下なので、ダカでのPM2.5の値がいかに高い
か、健康被害を受けやすいかが理解できます。2019年3月中旬夜のモハカリ地区のBRACセ
ンターの敷地内でも180µg/㎥という値が出ました。
ダカの人々にそれがどれだけ深刻な影響を及ぼす数値かを伝えたとしても、半ばあきらめ
顔、この大気汚染についてはマスメディアが時々取り上げるぐらいです。日本では屋外で
の個人でできる対策としてPM2.5用のマスクの着用が一般化しています。屋内では外出か
らの帰りのうがいや手洗い、PM2.5の値が高い場合は不必要な外出を避ける、空気清浄機
を使用するなどがありますが、バングラデシュではほとんどお目にかかりません。
(2)2点目は環境教育の普及率の低さです。
日本では、環境省をはじめ、私が居住している北九州市役所にも環境学習を担当する部局
があります(北九州市は公害被害を出しており、その教訓として環境がきちんと学習でき
る環境ミュージアムを建設しています)。しかし、バングラデシュ政府の中で、環境教育
について責任を担っているのはどの省庁でしょうか?
未だに担当者にたどり着けていません。もし、読者の中でご存知の方がいれば、ご紹介し
ていただきたいものです。環境教育の普及を目指しているNGOの職員に尋ねたところ、環
境教育政策案を作成しているのは自分たちだといった回答が返ってきました。ダンモンデ
ィ地区やラールマティア地区にある有名な私立中学校・高校の校長に尋ねても、環境教育
に力を入れていると回答が返ってきたところはありませんでした。
これは隣国のインドと対照的です。インドでは最高裁の指令で小学校から大学まで環境教
育が義務化されており、デリーの有名私立中学校・高校の校長に尋ねたところ、「国家の
政治・行政・経済を担う卒業生が環境のことをよく理解し、改善しようと努力するのは当
然のこと」との回答が返ってきました。また、インドネシアではAdiwiyata制度という環
境に配慮した学校を普及させようという国家政策があります。同学校に認定されれば、学
校運営に補助金が出され、人気が高まります。インド・インドネシアとバングラデシュの
環境教育に対する差を痛感しました。
2016年7月のJICA専門家の射殺事件以降、派遣されていた青年海外協力隊の環境教育担当
隊員も帰国を余儀なくされました。中には私が知っている隊員もいます。無念の中、帰国
の途についたことでしょう。他方、ダカでは数々の外国製の最先端の医療機器を備えた総
合病院が数多く建設されています。対処療法を否定するわけではありませんが、予防措置
をいかに効果的なものとして考えるかはもっと重要なことです。ダカ市民一人ひとりが環
境学習を行い、国民的な議論を巻き起こし、少しでも住みやすい大都市にするといった方
向で進んでもらいたいものです。

■4)『地方から見たバングラデシュの思い出』( 連載その3 )
5. チッタゴンへの赴任
「今度はチッタゴンの建設現場に行って欲しい。」と上司から告げられたのは1983年のこ
とでした。任地インドネシアでの尿素化学肥料プラントの建設を全て完了し、帰国最終組
として同僚約15名と一緒に早朝出発するチャーターバスに乗り、スマトラ島最大の都市メ
ダンに向かっている時でした。チッタゴンは初めて聞く地名で、すぐにはそれがバングラ
デシュの地とは判かりませんでした。結局チッタゴン2回、ゴラサール2回の長期滞在で、
12年間の滞在となり、その勤務終了後は『バングラデシュの経験者』となりました。また
、あの時の上司の一言で、これほど長くバングラデシュに関わることになるとは想像もし
ていませんでした。
チッタゴンのプラント建設予定地に立ったのは1984年です。50,000
m2の東京ドームを南北に2個分、東西に4個分、計8個を並べた1,000mx400m (400,00
0m2)の広大な土地です。造成が終了したばかりのプラント用地で、全く何もないところで
した。用地の隅に、原料を受け入れる天然ガスの直径40cmの配管が、地表から約1m出てい
るだけで、他には何もないのが印象的でした。1987年10月27日の尿素の初生産開始、1988
年1月の商業運転開始まで、長い道のりは平たんなものではありませんでした。契約納期
36ケ月のところ33ケ月で仕上げ、客先に引き渡した時の感激は忘れられません。

6. 苦い思い出 – カルナフリ・スイマー
前項のチッタゴンでの肥料プラント建設の時には、忘れることの出来ない苦い体験をし
ました。1984年にプラント建設前に一度は来ていましたが、長期滞在で赴任したのは1986
年10月でした。プラントサイトへ行くには、川幅約600mガンジス川が運んだ細粒土で茶色
の染まった、カルナフリ川を渡っていくことになります。その日、私はダッカより昼間に
到着しましたが、その日は金曜日で市内のアグラバッド・ホテルでイベントがあったため
、その参加者を待ち、夜8時に高速ボートで渡ることになりました。10
m x 5mのけっこう大きな長方形の桟橋から高速ボートに乗り移ることになりました。チッ
タゴンのカルナフリ川ではベンガル湾の潮の干満の影響で川での水位差も4~5mになり
ます。高速ボートなどの小形船用の桟橋にはほとんど浮舟式が使われていました。
その時、桟橋上には全く照明灯がなく、高速ボートもエンジンを停止し係留しているので
、船内は真っ暗です。唯一50m以上離れた陸地の薄暗い電灯からの光があるだけでした。
真っ暗で足元には注意していたつもりですが、想定していた桟橋の「ふち」と実際が多少
違っており、踏み外してしましました。気が付いた時には川面約2m
の所を舞っており、そのまま勢いよく川の中に落ちてしまいました。どこからか手が伸び
てきて助けてもらったのですが、目撃者の説明によると、高速ボートの片側で落ちる音が
聞こえ、川の中から手が出てきたのは、ボートの反対側だったとのことです。川の流れが
速く、川にもぐったときに丁度、船底をくぐり反対側に出てきたようです。後日、聞いた
ところによると川の水位が高く、流れが速い時には、毎年10名以上の方々が川で溺れて
亡くなっているとのこと。運よく助かりましたが、その後、夜間の渡川は禁止になり、私
はしばらくの間、懇親会のような人の集まる場合には『カルナフリ・スイマー』と呼ばれ
て、皆様に話題を提供していました。

7. ゴラサールでの思い出
チッタゴンでの建設終了後の1989年からはゴラサールのプラント改修工事に携わりまし
た。ゴラサールの肥料工場は独立戦争終結後すぐに運転が行われ、稼働後約20年を経過し
ておりました。建設当時東洋一の規模を誇ったプラントも、多くの機器が老朽化しており
、今にも止まりそうなものばかりでした。このプラントは、大きな改修工事を行い、その
後の改修・メンテナンスを経て、現在でも尿素肥料の生産を行っています。私が、ゴラサ
ールに赴任した時は、多くの先輩たちが独立戦争勃発時に大変な思いをして、この地を脱
出したことは全く知りませんでした。前号までに状況を記したゴラサールからの脱出の様
子は、私にとっても初めて聞く話で、驚くばかりです。
私がゴラサールで力を入れたことは、何も楽しむものがないバングラデシュの片田舎です
ので、派遣員の方々にいかにリフレッシュをしていただくことでした。仕事以外のことで
リラックスし、エンジョイしていただくことを一番に考え、アンテナ設置が大変だった衛
星放送、ビリアード、ダーツ、ミニ・ゴルフ場の建設、日本風呂の設置をしました。その
中でもミニ・ゴルフ場建設と日本風呂の設置が、今でも私の記憶に鮮明に残っています。

(1)パー27のミニ・ゴルフ場の建設(1989年)
1990年、バブル崩壊前後で、派遣員の皆さんは日本でゴルフを嗜まれる方も多くおられ
、宿舎の前庭で素振りをしている方々を多く見かけました。ダッカのゴルフ場に行けない
なら、自分達でゴルフ場を作れば良いとのことになり、現場での工場の施工責任者だった
私(チーフ・フィールド・エンジニア)が、このプロジェクトの担当者に推され、本来の
仕事をしながら、ゴルフ好きな方々の意見を聞きつつ、ミニ・ゴルフ場の建設を実行する
ことになりました。客先のプラントは敷地にすき間のないくらい設備がありましたので、
隣の工場に頼み込み土地を借りました。出入りの現地の土建業者に協力を仰ぎ、約3ケ月
で完成することが出来ました。約60m四方の土地と160mx120mの土地2ケ所にそれぞれ
、4ホール、5ホールのショートコースを造成し、計9ホールが完成しました。
小さい場所には中央にグリーン、四隅をティーグランドに、違う方向から攻めること
にしたのです。グリーンの廻りには、ガード・バンカーも設置し、グリーンにも少しの傾
斜をつけました。元々植えてある木が邪魔をして、4方向からの攻めは感覚が違う面白い
ものになりました。コース5番からは、交互にティーグランドとグリーンを作り、短いと
ころで70ヤード、長いところでは120ヤードでした。本物のようなダイナミックさはあり
ませんが、アプローチの練習を充分に出来て、毎日の楽しみの一つでした。ゴルフ好きの
方は毎日昼食のブレークにプレーをし、終わったらシャワーを浴びて午後の仕事でした。
月1回のゴルフコンペも開催しました。
(次回掲載/その4:「田舎町ゴラサールでの銭湯」につづく)

■5)イベント、講演会の案内

〇5/29(水)忍足謙朗によるミャンマー避難民 現地視察報告会
https://www.aarjapan.gr.jp/join/event/2019/0529_2725.html
〇大学生によるバングラデシュでの国際協力活動の報告会   6/1
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=654239798323433
〇「観る、という支援。」UNHCR難民映画祭2018-学校パートナーズ
明治学院大学映画上映会&トークセッション
「アイ・アム・ロヒンギャ」 6/13
https://www.meijigakuin.ac.jp/corporations/release/PDF/MG_190507.pdf
〇日本ベンガルフォーラム 第3回6/30
http://www.tufs.ac.jp/ts2/society/japanbengalforum/index.html

■ 6)『事務連絡』
〇第6回社員総会・懇親会の開催予定
郵送にてご案内しました様に,1,””)日本バングラデシュ協会の第6回社員総会及びその
後の懇親会は、6月8日(土曜日)の11時から、昨年同様品川のTKP品川カンファレンスセン
ターANNEXにて開催予定です。皆様のご参加をお待ちしております。

〇協会の講演会開催に関するアンケート調査のお願い
協会行事として行っている講演会に関する皆様のご意見をお伺いし、より会員の希望に沿
う運営を進めたいとの目的で、皆様にアンケートのお願いメールを発送いたしました。
フォームへのアクセスのURLは https://forms.gle/bPCm6G25SjHGWBjGAです。
宜しくご協力いただけますようお願いします。

〇会員情報変更届のお願い:
事務局では会員各位の連絡先等の最新版を常備する必要がありますので、皆様の住所変更
、メールアドレスが変更されました場合は
<info@japan-bangladesh.org>  までお知らせ下さるようお願い致します。

〇本協会の活動などについてご意見等ありましたら、お知らせください。
また、メール・マガジンに載せたいご意見、情報、その他昔のバングラデシュ勤務時の思
い出などお寄せ下さい。

宛先:info@japan-bangladesh.org

(約1500字。体裁上若干の修正あり得ることご了承下さい。)

===============
一般社団法人 日本バングラデシュ協会
http://www.japan-bangladesh.org/