日本バングラデシュ協会の皆様へ

■目次

■Ⅰ.祝辞

ハシナ首相宛『ムジブ年及び独立 50 周年の祝辞』

 理事 早川鎭

■Ⅱ.回顧・証言

□1)独立前後のバングラデシュ -歓喜と懸念-(その1)

アジア経済研究所 名誉研究員

会員 桐生 稔

□2)武力弾圧の記憶

理事 七田央

□3)バングラデシュ独立戦争のはじまりの頃の追憶(その1)

NHK ベンガル語放送 出演者

アンワールル・カリーム

□4)亡夫 奈良毅と日本ベンガル友の会(その1)

 会員 奈良安紀子

■Ⅲ.論文・論考

□1)バングラデシュの独立宣言と解放戦争におけるシェイク・ムジブの求心力

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授

前理事 外川昌彦

□2)ムジブル・ラーマン:逮捕までの最後の 3 日間

理事 太田清和

□3)若狹丸の航跡とチッタゴン春の陣

理事 太田清和

■Ⅳ.新聞報道選集(別冊)

※ご参考
既にメルマガで『証言』としてご寄稿頂き配信しているものは、次のとおりです。
1)古家秀紀理事『バングラデシュと私』(52 号。53 号)
2)伊藤隆史監事『地方から見たバングラデシュの思い出』(55 号、56 号)
3)長田満江会員『1971 年 3 月にダッカで見たムジブル・ラーマン』(72 号)


■I.祝辞
ハシナ首相宛『ムジブ年及び独立 50 周年の祝辞』

理事 早川鎭

 バングラデシュでは、3 月 17 日から 26 日まで、ムジブ生誕 100 周年を祝う式典(Mujib Year)が行われています。
バングラデシュ政府より私に祝辞を述べてほしいとの依頼があり、これを受け、3 月 4 日に大使館に赴き、ハシナ首相宛の祝辞をビデオ撮影しました。この祝辞(写真を含めて 3 ページ)は渡辺一弘元理事のベンガル語訳のテロップ付きで、式典期間の間に国営テレビで放映(約 8 分)されました。祝辞は下記の通りです。

バングラデシュ人民共和国

シェイク・ハシナ首相閣下

ムジブ年及び独立50周年の祝辞

 この度は、ムジブ年とバングラデシュ独立50周年に向けて、バングラデシュと日本の友好に務めた故早川崇の息子としてお祝いを申しあげます。
この写真は、1972年3月14日に独立直後の貴国を日本政府の親善特使として父と私ども一行が訪問した時の写真です。

この時のバングラデシュは、国全体が、開放感と独立達成の熱気に満ちあふれており、四日間の滞在期間にわたり、父も気持ちが高ぶり、興奮をおさえられませんでした。
独立直後の多忙な中首相官邸にお招き頂きいただいた際、ラーマン首相は父を抱きかかえるようにして親愛の情を示していただきました。

半生を獄中で過ごしたベンガル解放の闘士とは思われない明朗さと温かさを醸し出す方でした。父が独立のお祝いを申しあげた後、二人のお互い国作りに燃える情熱的な話はいつまでも尽きることがなく、情熱と情熱がぶつかり合い、溶けて一つになりました。
この会談において、ラーマン首相は、「バングラデシュを東西に二分しているジャムナ河の架橋を、是非とも日本に手掛けてもらいたい。日本との友好のシンボルとなるであろう。」と情熱を込めて語りました。滞在期間中に早川一行が現地を視察すると、バングラデシュは内戦直後であったことから、各地の被害状況は想像を絶するものであり、父は心を痛めました。
父はこの訪問を通じ、バングラデシュと同じく戦争の悲惨さを体験し、復興を果たした日本は、同じアジアの一員として人道主義に立脚し、タゴールの謳った「黄金のベンガル」を取り戻すため、バングラデシュのために一役買わなければならないと決意し、帰国の途につきました。
早川の貴国への思いはジャムナ河架橋工事援助などの約束を果たすことから出発しました。以来今日に至るまで、数々の架橋などやインフラ整備は日本の援助によって完成し、更に新たな「夢」である BIG-B(ベンガル湾産業成長地帯 The Bay of Bengal Industrial Growth Belt)構想の実現へと繋がろうとしています。この計画に日本も大きな役割を果たすことが出来るでしょう。

1973年10月には賓客として日本を訪れられたラーマン首相とそのご一行は、早川の故郷の和歌山にもおいでいただきました。
この写真は、ご一行が和歌山に来られた時の写真です。

 

 

父は、ラーマン首相の日本訪問に際し、「農漁村に案内し、日本の普段の素朴な生活に接してもらおう」と考えました。小学校の子供達や、ラーマン首相が黄色い果物がなっているのを見つけると、「それでは」と父の案内で一緒に車を降りて、みかん農家と話し込むといった具合でした。
日本訪問のお礼として、ラーマン首相からベンガルタイガーの剥製を贈呈していただきました。この剥製は長い間早川の自宅に飾られていましたが、2017年に東京のバングラデシュ大使館が新築になった機会に「両国の更なる関係の発展に役立たせることは出来ないか」と考え、大使館に寄贈させていただきました。

両国の友好の歴史的記念物であり象徴とも言える虎の剥製が、未来永劫友好のシンボルとして語り継がれることを願っています。
独立50周年、生誕100年、国交樹立50周年の節目の年は両国の交流の礎を築いた父にとりましても感慨深いものがあると思います。
貴首相の卓越した指導の下、建国の父ラーマン首相の思い描いた「黄金のベンガル Sonar Bangla」の夢が実現され、貴国が世界の平和と繁栄のため一層貢献されることを心から願い、ムジブ首相の誕生日と独立50周年のお祝いの言葉とさせていただきます。

敬意を込めて

以上

 


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