日本バングラデシュ協会 メール・マガジン(49号)2018年8月12日

日本バングラデシュ協会の皆様へ

■目次
1)『日本バングラデシュ協会メルマガ49号会長メッセージ
―バングラデシュにおける「スタートアップ」・ブームの到来―』会長:堀口松城
2)『日本とバングラデシュの発展のために』   国際人材育成機構 会長:栁澤共榮
3)『バングラデシュと私』(第二部)      大阪外国語大学名誉教授:溝上富夫
4)『変わるバングラデシュ:時は流れて』    フェリス女学院大学教授:木曽順子
5)『第二回日本ベンガルフォーラムを開催して』  東京外国語大学准教授:丹羽京子
6)『イベント・講演会のご案内』
7)『事務連絡』

■1)『日本バングラデシュ協会メルマガ49号会長メッセージ
―バングラデシュにおける「スタートアップ」・ブームの到来―』
会長:堀口松城

1.去る7月13日、IT人材派遣会社が、JETROや在京バングラデシュ大使館等との共催の
下に「バングラデシュ進出セミナー」を開催し、いくつかの大変興味深い講演が行われ
、急速に変わり始めたバングラデシュの現状に対する認識を新たにしました。
先月の本協会メルマガ「会長メッセージ」でもご紹介した、JICAの高橋課長による講
演の中で、近年、急速に発展しつつあるバングラデシュ経済を、マクロ経済的視点から
捉えた場合の今後の方向について、バングラデシュは、一人当たり国民所得が2016年で
1,330ドル(2017年は1602ドル)に達したが、他国の例でも1,000ドルを超えると成長が加
速化される傾向にあること、さらに人口ボーナス期が今度40年は続く見通しであること
から、今後バングラデシュは、外国企業の進出等による生産拠点としてのみならず、新
中間層の拡大による国内市場としても大きな成長が期待されることが指摘されていまし
た。

2.かかる見通しの中で、今回の「バングラデシュ進出セミナー」においても、現在バ
ングラデシュで起こりつつある目覚ましい発展ぶりについていくつかの興味深いお話が
ありました。なかでも、JETRO企画部の鈴木隆史事業推進主幹から「台頭するスタート
アップ」と題する以下の興味深いお話がありました。急速に変わりつつあるバングラデ
シュの実態を知る上で興味深いものがあるので以下、ご紹介します。(なお、鈴木主幹
には、日バ協会発足以来、理事として日バ協会の発展に多大なご尽力をいただきました
が、この度、インド、ベンガルールの所長に栄転され、数日前着任されました。これま
でのご貢献に厚く感謝申し上げるとともに、今後とも健康にご留意の上、新任地でのご
活躍をお祈り致します。)
(1)一人当たり国民所得の急拡大に伴い、中間層がボリュームゾーンとして台頭し、
質の高い製品やサービスを志向するようになり、このようなニーズに対応すべく、2015
年、曖昧であった各種課税のベースとなる恒久的施設(PE)や、ベンチャー・キャピタ
ル(VC)が制度化され、国内リスクマネー市場拡大への道が開け、ベンチャー企業が新
たな資金調達手段を得た。
(2)国策である「デジタル・バングラデシュ」を旗印に、通信インフラ整備が進めら
れ、また、IT関連企業には2024年までのタックスホリデー等潤沢な恩典が付与された。
(3)ソーシャル・ビジネスの聖地と言われるバングラデシュには、社会問題解決を目
指すNGOが数多くあり、内外企業家の関心を集めているが、BOP(ピラミッド底辺層)相手
に、ニーズ把握や事業収益化のノウハウや経験が集約され、途上国型イノベーションが
実践されている。
(4)高等教育ブームが到来し、5年で40大学が新設され、学生数は40万人増加した。
英語による海外の情報や技術のキャッチアップが加速し、また、欧米で教育を受けた富
裕層も、帰国組が海外投資家とバングラデシュのつなぎ役を担っている。
(5)台頭するスタートアップの実例
① 教育:高等教育や仕事へのアクセス難を改善するため、Coder’s Trustは、オンラ
インのITスキル教育、ローン提供、フリーランス業務の斡旋サービスを提供。
② 教育:Onnorokomは、理科系教育に特化したベンチャー。数学、物理のオンライン
事業から小学生向けの付録付き教材迄手掛ける。
③ 健康:Medicare Japanは、増加する非感染症疾患に対応するため、デジタルやク
ラウド技術を医療に導入することで、予防医療や遠隔治療の普及に貢献。
④ 環境:深刻なごみ問題を改善すべく、BPCLはPETボトルのリサイクル・ビジネスを
立ち上げ。ゴミの収集人や仕分け人を組織化し、効率的な原料調達を実現。
⑤ 衛生:地下水のヒ素汚染と雇用の創出に対応するため、Drinkwell は農村コミュ
ニティで、水浄化ビジネスに係わる関係者のネットワーク化を支援。
⑥ 役務:Shebaは無数にある小規模専門業者のマーケット・プレイスにより、便利屋
サービスを提供。品質保証や顧客満足管理で、都市中流層で市場拡大。
⑦ 食品:深刻な農薬汚染への意識向上を受け、Direct Fresh は契約農家や自家菜
園から無農薬の食品を調達、都市部の上流層向けにデリバリー事業を開始。
⑧ 輸送:リアルタイム渋滞情報を手掛けるGoBDは、最適な都市輸送サービスを提供
するため、ラストマイル・デリバリーを開始。Eコマース需要にも対応。
⑨ 金融:送金・決済需要や現金所持リスクに対応するため、bKashは携帯電話を使っ
たバンキング・サービスを開始。出稼ぎ労働者や買い物客に利用されている。
⑩ EC: Dam.com.bdは、バングラデシュの価格比較サイト。正規品のみを扱い、契
約店の在庫管理からホームデリバリーまで行う。乱立する流通・販売店の競争と差別化
に後押し。

3.最近ダッカから帰った友人の話しでは、食料や雑貨のオンライン・サービスも急速
に普及しつつあるよしです。これからバングラデシュが、どのくらいの速さで、どう変
わっていくか、大きな楽しみです。


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