日本バングラデシュ協会 メール・マガジン(51号)2018年10月15日

日本バングラデシュ協会の皆様へ

■目次
1)『日本バングラデシュ協会メルマガ第51号会長メッセージ
-第1回東京バングラデシュ・ブック・フェアの開催-』     会長 堀口松城
2)『現地便り:シュンドルボンで村民達とソフトシェルクラブの養殖加工に挑戦』
M&Sコーポレーション 代表取締役 進藤哲也
3)『バングラデシュの衣類産業と障害者雇用』
一橋大学大学院経済学研究科 博士課程後期 金澤真実
4 『在バングラデシュ大使時代の思い出(その3)』
日本国際教育支援協会理事長(前日本バングラデシュ協会理事) 井上正幸
5)『イベント・講演会のご案内』
6)『事務連絡』

■1)『日本バングラデシュ協会メルマガ第51号会長メッセージ
-第1回東京バングラデシュ・ブック・フェアの開催-』    会長 堀口松城

1.9月2日、板橋のグリーン・ホールで「東京バングラデシュ・ジャーナリスト作家
フォーラム」主催による、初めての「東京バングラデシュ・ブック・フェアー」が開催
されました。25年前に設立された同フォーラムのジュエル会長によれば、このブック・
フェアー開催の目的として、日本に住むバングラデシュの作家やジャーナリストによっ
てどのような本が出版され、バングラデシュの読者に日本のことがいかに伝えられてい
るかを紹介し、日本人がどのように思うかを知ること、これらの本を書いた著者をエン
カレッジすること、また、日本に住むバングラデシュの子供に、ベンガル語を通じて大
事なことを伝えることなどが挙げられていました。
2.会場の最初のコーナーでは、日本人が書いたバングラデシュ関係の書籍が陳列され
、先ず故我妻和男筑波大学名誉教授の諸書籍、特に1980年代から10年以上かけて発行さ
れた全12巻のタゴール著作集は、我妻先生が編集と、そこに取り上げられた小説や詩の
翻訳も担当されたもので、その偉業に圧倒されます。また、1977年の日航機ハイジャッ
ク事件でハイジャッカーとの折衝に当った石井一元国務大臣による体験記「ダッカハイ
ジャック事件」のベンガル語訳、建国の父ムジブル・ラーマンの回想録(ともに渡辺一
弘さん翻訳)や、医療活動をしながらダッカの生活を綴った渡辺順美さんの「ダッカの
日々」や拙著「バングラデシュの歴史」などが並べられていました。日本人によりバン
グラデシュについて書かれた本は、他にも多数あるにも拘らず、当日陳列されていたも
のは限られていましたが、今回のブック・フェアーが最初のもので、十分な数を集めら
れなかったためと思われ、今後ブック・フェアーが回を重ねるにつれて陳列される関連
書籍も充実していくことが期待されます。
3.次のコーナーでは、バングラデシュ人による多数の書籍が展示即売されていました
が、その内容は、バングラデシュ人が日本や外国を見て学んだこと、自分の国と比較し
た短所や長所、日本の習慣を知らなかったための数々の失敗談、独立戦争当時、日本か
ら受けた支援の大きさや支援者の話、バングラデシュの女の子が勉強をし、新しい生き
方に目覚め、国際機関で活躍する話などである由です。
4.当日の「ブック・フェアー」では、以上の日本人、バングラデシュ人によるバング
ラデシュ関連の書籍の展示(即売)会の他、午前中は、ファティマ大使、石井一元国務
大臣、故我妻先生の夫人、私などからの祝辞があり、とくに石井先生は上記の体験記「
ダッカハイジャック事件」に書かれた切迫した当時の状況を紹介されました。
そして午後は、ベンガル語による両国の関係者による座談会があり、出席された渡辺
さんによれば、彼と渡辺順美さんからはベンガル語と自らの関係について語られ、また
、川端康成のノーベル賞受賞後、川端にインタビューしたアブドゥル・ラーマン氏、大
江健三郎にインタビューしたモンズルル・ホク氏によるその時のお話しや、日本に暮ら
しながら文学活動を続けているバングラデシュの女性たちによる座談会、さらに、バン
グラデシュの子どもたちによる詩の朗読などが行われた由です。
5.今回のブック・フェアーについて、後日、上記のジュエル会長に取材した際、私か
ら、日本人にとって、日本に住むバングラデシュの人達が日本についていかに理解し、
いかにバングラデシュの人々に伝えているかは興味深いものがあるので、同フェア―で
紹介されたバングラデシュ人による書籍で、例えば「東京バングラデシュ・ジャーナリ
スト作家フォーラム」による賞を受けるような代表性のある本については、部分訳でも
よいので日本語版を出して貰えれば、多くの日本人の関心をさらに集め、同フェア―の
当初の目的により資するべく、検討して欲しい旨お願いしておきました。


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