日本バングラデシュ協会メール・マガジン71号(2020 年5月号)1)巻頭言: 『新型コロナウィルスに関する杞憂と本会の刷新』 会長 大橋正明

日本バングラデシュ協会の皆様へ

■目次
1)巻頭言:『新型コロナウィルスに関する杞憂と本会の刷新』

会長 大橋正明

2)会員寄稿:『ボンゴ ボンドゥの手は熱かった 』

-ムジブル・ラーマン生誕 100 周年シリーズ No.5-

(株)日本工営 顧問 桐生 稔

3)現地便り:『令和初 それいけ 春祭り』(その2)

ダッカ日本人会春祭り担当理事 上村 修

4)理事寄稿:「ベンガルのムスリム村落社会研究と原忠彦教授の業績」(連載その2)

―南アジアの民族誌的研究を振り返る-

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授 理事 外川昌彦

5)イベント、講演会の案内

6)『事務連絡』


 

 1)巻頭言: 『新型コロナウィルスに関する杞憂と本会の刷新』

会長 大橋正明

1.バングラデシュの新大使の御着任 昨年秋に国連大使に栄転されたファティマ大使の後任の新駐日バングラデシュ大使ですが、今年 3 月初めに、現地の 新聞がシャハブウッディン・アハメド(Shahabuddin Ahmed)氏に決まった、と報道しました。長らくバングラデシュ政府に お勤めで、昨年食糧省事務次官を定年退職された方です。その後間もなく来日されると期待していたのですが、皆様もご 存知の新型コロナウィルス感染症の流行のため、日本とバングラデシュを結ぶ航空機がほとんどなくなっているために、何 度か予定が延期され、まだ来日されていません。現段階では、6 月になる予定です。本会としては、この新大使の来日後の 出来るだけ早い機会に、会員の皆様と新大使が懇親できる機会を設けたい、と考えています。

2.新型コロナウィルス感染の影響と杞憂 日本での新型コロナウィルス感染症の流行のせいで、日本とバングラデシュの間の人事交流も途絶えています。大物の 来日も計画されていたのですが、先の読めない延期状態です。まことに、残念なことです。 バングラデシュでは、3 月中旬以降からコロナウィルスの感染が徐々に広がり始め、政府は検疫の強化や飛行機の国際 便の停止、移動の禁止など様々な手を打ち出しました。4 月よりチャーター機が 2 便にわたり運航され、現地に滞在してい た日本人約 550 名が、苦労して帰国されました。5 月7 日の現地紙によると、バングラデシュの前日までの感染者総数は 1 万 2,425 人(日本は 5 月 8 日朝で1万 6,287 人)、死者が 199 人(同 603 人)、新規感染者は 706 人(同 96 人)、回 復者1,910人(同退院者5、797人)です。これらの数を見るだけだと、バングラデシュでのこのパンデミックは、まだ増加す ることが強く懸念されます。(出典;The Daily Star, https://epaper.thedailystar.net/Home/FullPage)
バングラデシュでは残念ながら、医療保健体制がまだ十分に整っていません。病院の隔離病棟の施設やベッド数も不十 分だし、肺炎患者のための酸素吸入器や人工呼吸器が不足するかもしれません。さらに予防には石鹸でしっかり手洗いを する、うがいする、検温して記録する、アルコール消毒する、マスクをする、といった行動が必要ですが、石鹸や消毒薬、体 温計やマスクは多くの人が日常的に使えるようになっていません。 特に人口密度が非常に高く、糖尿病などの基礎疾患を抱える人も多い都市のスラムや南部のロヒンギャ難民キャンプ などでこの伝染病が流行したら、重症・重篤な患者は短期間に相当な数に上ります。そしてこうした人たちは、果たしてどれ だけ適正な治療を受けられるか、とても不安です。 この杞憂が杞憂に終わることを、心から願っています。それにしてもこうしたことは今後も繰り返されるでしょうから、バン グラデシュの開発や開発協力は、もっと保健医療や教育、貧困や格差対策といった社会開発にも力を入れて、将来に備え てもらいたいものです。

3.7年目を迎える本会の刷新の試み 日本バングラデシュ協会は、このコロナの影響で多少遅れて、この7月に7回目の年次総会を行います。つまり本会は発 足から7年目を迎えることになります。 本会は、現在はバングデシュ政府外務省の事務次官で、当時は駐日バングラデシュ大使だったモメン氏からの働きか けと、それを受け止めた元駐バングラデシュ日本大使で当会の初代会長の堀口相談役のご熱心な働きかけによって創設 されました。 以来、実に多くの方々の無償のお働きのお陰で、本会は今日まで歩んできました。ご存知のように、今では法人会員が 50 社(内非営利は 6法人)、学生会員を含めた個人会員の総数が 136 名という規模に成長し、充実した内容のメールマガジンの毎月発行、文化や政治、国際交流などに関する隔月の講演会、そして四半期に一度の企業情報交換会を行って います。 一方、第一世代として本会をこれまで引っ張って下さった役員の皆様に深く感謝しつつも、少しずつ交代を進めていくこ とも重要です。日本とバングラデシュの友好関係を推進する本会は、特定の方々の貢献に依拠してきたのですが、その 方々が徐々に交代して、新顔の壮年や若手の方々の参加を得たいと考えています。そのため、今度の総会では、それなりの 理事人事の刷新を試みるつもりです。 しかしこれまで貢献して下さった方々が、今後も貢献して頂けるようなシステムも確立したと考えています。事務局やメルマガ編集、イベント企画・実行などの部会などを作り、それらのメンバーになって戴く、あるいは顧問として、ご貢献を続けて 頂くことを願っています。 繰り返しになりますが、今年はバングラデシュ建国の父ムジブル・ラーマンの生誕 100 周年、来年はバングラデシュ独 立50周年、そして再来年は日本とバングラデシュの外交関係開設50周年です。本会は、これらの重要な周年イベントに、 新理事体制でしっかり取り組んでいく決意でいます。 皆様のご理解と、これまで以上のご支援を心よりお願い申し上げます。7月末予定の総会にお会いすることを期待してい ます。どうかご健康でお過ごしください!

 

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